海外でも簡単!納豆の作り方|How to make Japanese Natto

料理

筆者はアメリカ在住ですが、海外生活中は、なにかと和食が恋しくなる方が多いのではないでしょうか。でも日本食スーパーは近くにあるとは限らないし、価格も日本の2−3倍したりしますよね。そこで、今日は海外でも簡単にできる「納豆の作り方」をご紹介します。近年、「腸活」で注目されている発酵食品を気軽に取れる納豆作りを、あなたも始めませんか?自分で作れば市販品のなんと1/3の費用で作れます!

必要なもの

材料
  1. 有機乾燥大豆300g(出来上がり約600g)
  2. 納豆菌0.1g

我が家は幼い子供がいるので、乾燥大豆はなるべくオーガニックのものを「日本食スーパー」かアメリカの「アマゾン(Be Still Farms)」で購入しています。他のオーガニック大豆も試してみましたが、今のところこの2つが価格と味のバランスでマイベスト。
今回は写真の日本食スーパーで手に入れたオーガニック大豆を使用。

納豆菌は、私は日本で購入したかわしま屋さんの納豆菌(海外発送可)を使用していますが、市販の納豆を利用して納豆作りをすることもできます。その場合、10~15粒くらいの納豆を熱湯(50ccほど)に入れてかき混ぜた液体を使用します。
機会があれば、かわしま屋さんの納豆菌をぜひお試しいただきたいです!以前は市販の納豆を利用していましたが、かわしま屋さんの納豆菌で作った方が断然おいしいです。アメリカのアマゾンでも買えるようです。

使用する道具は以下の7つです。特別な道具は必要ありません。
道具2〜5は、あらかじめ熱湯消毒しておきます。

道具
  1. 大きめの鍋または圧力鍋
  2. 大きめのボウル
  3. 大きめのザル
  4. 耐熱容器(マグカップなどでOK)
  5. ティースプーン
  6. ジップロック
  7. ホームべカリーインスタントポットヨーグルトメーカー、炊飯器など保温機能があるもの)
  8. ふきん(キッチンペーパーでもOK)

納豆作りのタイムライン

次に、納豆作りの流れを確認しましょう。
完成するまでに三日もかかるの!?と驚かれるかもしれません。しかし、長時間の工程である「乾燥大豆を浸水する」「大豆を保温する」「納豆を冷蔵庫で寝かせる」、この3つはほぼ放置するだけです(笑)。なので、実は、手を動かす作業時間は短時間で簡単にできます。実際、筆者も料理や家事の合間に作業しています。

納豆作りのタイムライン
  • Day1
    乾燥大豆を洗って水に浸す:6〜12時間程

  • Day2
    大豆を煮る:鍋(2-3時間)、圧力鍋(40分)

  • 納豆菌液を作る:3分

  • 茹でた大豆を湯切りし、納豆菌液を混ぜる:3分
  • Day2-3
    大豆を保温する:24時間

  • Day3
    納豆を冷蔵庫で半日〜1日寝かせる:12〜24時間

納豆の作り方

では、実際の作り方です。
今回は乾燥大豆を300g使用します(出来上がり約600g)。

1. 乾燥大豆を洗って水に浸す

大豆重量の4倍程度(今回だと1.2L)に漬けます。注意点として、余裕のある大きめのボウルを使用しましょう。浸水後の大豆は水を含んで膨張するからです。
作業タイミングは、前日の夜または当日朝がおすすめです。筆者の経験では、夏場は6時間程度、冬場は8〜10時間程度が目安です。

浸水直後
8時間後、ふっくら大豆の形に
2. 大豆を煮る

浸水した水ごと大豆を鍋に入れ、圧力鍋で40分(圧力がかかってから30分ほど)ほど、普通の鍋で2〜3時間程度煮ます。筆者は普通の鍋を使用していますが、蓋を少し開けながら煮ないと確実に吹きこぼれるので注意しましょう。水が足りなくなったら途中で足します。
火を止める前に、指でつまんで潰れる程度の柔らかさを確認します。火傷には気をつけて!

3. 納豆菌液を作る

2の工程で大豆の茹で具合を確認すると同時に、10cc(小さじ2)の水を一度沸かして冷めたところに納豆菌0.1g(ティースプーンの先端につくくらいの量)を混ぜ、納豆菌液を作る。

いつも適当な目分量です
4. 茹でた大豆を湯切りし、納豆菌液を混ぜる

煮えた大豆の煮汁を捨てて、手早く納豆菌液をまわしかけて清潔なスプーンで大豆をよくかき混ぜます。これまた手早くスプーンで大豆をジップロックに移します。ここで温度が下がると納豆菌以外の微生物が混入し、納豆作りが失敗してしまう可能性があります。手早く作業しつつも火傷には気をつけましょう。

手早く作業&撮影をしないといけないのに、あっという間にレンズが曇って焦りました笑
5. 大豆を保温する

納豆菌を種付けした大豆を、ホームべーカリーの「ヨーグルトモード」で24時間保温し発酵させます。発酵に適した温度は30度なので、お使いの機械によって調整してください。また、発酵には酸素が必要なため、蓋と本体の間にふきんを挟んで隙間を設けます。キッチンペーパーなどでもOKですが、蒸発して内蓋についた水滴が納豆の中に落ちるのを防ぐために、筆者はふきんを使用しています。

大豆に酸素を送るため、そして内蓋の水滴を吸収するためにふきんを挟みます
6. 納豆を冷蔵庫で半日〜1日寝かせる

発酵を終えた納豆を半日から1日程度冷蔵庫にいれます。この工程により、アミノ酸が生成され、味が熟れて風味が増します。

7. 完成!

完成後の納豆は白くネバネバです。

なんだか生命力を感じる神秘的な納豆
今回は605gの納豆が完成!(袋の重さが10g)

納豆作り失敗? アンモニア臭くなったときの対処法

保温後の納豆は、アンモニア臭がすることがあります。初めてこの匂いを嗅いだときは失敗した!?と焦ったのですが、調べてみるとよくあることのようです。工程8の「納豆を冷蔵庫で半日〜1日寝かせる」をすると、落ち着くことが多いです。あとは、24時間未満で十分発酵する場合もあるようなので、20時間程度経過したところで確認し、納豆が白くネバネバしていたら発酵を終えるという手もあるようです。この場合も冷蔵庫で寝かせる工程は必要になります。

納豆のタレも手作り

筆者はタレも手作りしています。こちらのレシピを参照に倍量にして作っています。

納豆の保存方法

以下のように保存できます。

  • 冷蔵保存:1週間程度
  • 冷凍保存:3週間程度

作成した納豆は1週間以内に食べ切ることが多いので、私はいつも冷蔵保存をしています。

手作り納豆の費用

今回使用した有機乾燥大豆と納豆菌の費用は、以下の通り。1ドルは130円換算です。(電気・水道・光熱費は含めません)

  • 有機乾燥大豆(約450g=1LB)で$3.99(税込) →使用したのは300gなので$2.6
  • 納豆菌(3g)で680円(税込) →使用したのは0.1gなので$0.17(22.6円)

$2.6(338円)+$0.17(22.6円)=合計$2.8(360円)/600g

市販の納豆は1パック45gで、3パックの1セットで総量135gです。今回は600g分が完成し納豆約4セット強(約13パック)分なので、1セット(3パック)$0.64(83円)程で出来ました。($2.8÷13パック×3パック)

たとえば、ある日の日本食スーパーの有機納豆1セットの価格は、$2.29(298円)でした。つまり、今回の手作り有機納豆は1/3以下の費用で作れました。

やってみるととても簡単にできる納豆作り。特別なスキルは不要で料理や家事の合間に仕込めるので、皆さんもぜひチャレンジしてみてください。

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